攻めも守りもへなちょこ。コミュニケーション弱者の八重樫です。こんにちは。
ニッポン放送の吉田尚記さんってアナウンサーさんご存知でしょうか?
オタクなら知ってる人は多いかも知れません。
ご本人もオタクであり、コミュニケーションに対して消極的であった人が何故かアナウンサーになり、今では抜群に凄いコミュニケーション能力の持ち主で、ラジオだけでなくイベントの司会なんかもされている、人気アナウンサーという吉田尚記さんの本を読んでのアレコレです。
この本。
読みながら、付箋代わりにTwitterに感想付きでシェアしたり、そこから発展したボヤキをツイートしてたりしたのが思いの外盛り上がったので、それについて自分のまとめ。
ネタバレと紹介は違うよなと思うので、今までの本の紹介は大雑把な概要と、感想のみにしておいたのですが、コレはちょっとネタバレも含んでしまう事になりますが、この本の価値はそこにはないと思ったので、少しだけ踏み込みます。
ただ、ここに書くのは私個人がこの本から読み取った事、主観に基づいたものであり、当然勘違いや読み違いが多々あります。
ついでに、この本の価値は「本にする前提でニコニコ生放送を放送し、コメントを拾いリアクションを取りながらも趣旨をブレさせず、ひとつの話としてまとめ上げる吉田尚記さんの強みであろうライブ形式での作品」という所にあるので、買って読んだ方がいいよ!
コミュ障(コミュニケーション障害)
先ず、前提になる単語から。
本来の「コミュニケーション障害」は、何かしらの要因により日常生活においてもコミュニケーションに支障がきたす状態って感じの理解で良いと思います。多分。
これが、「コミュ障」と略されたネットスラングでは、少し意味合いが変わります。
もう少しカジュアルな扱いで、「コミュニケーションが下手」や「コミュニケーションが苦手」程度でも、コミュ障と言われたり、自認したり。
当然ですが、あまり推奨出来る言い方とは言えず、そんなら「コミュ下手」とかって言えよなと思っています。
自分を「コミュ障」だと言ってしまえば、それはもうどうする事も出来ないひとつの性質として諦める言い訳にもなってしまいますし。
コミュニケーションは技能
わりと本題。
この本では、コミュニケーションを技能として捉えて、いくつかのテクニック、コツで向上が出来るって事を実例や実践をしながら解説しています。
コミュニケーションが不得意なコミュニケーション弱者は、コミュニケーションに対しての不安がある事に由来します。
「嫌われたくない」だったり「上手く喋れない」だったり。
そこで、テクニックを身に付ける事が出来れば、不安は解消されるはず。
テクニックはいくつかあるのですが、印象に残ったいくつかを抜粋すると
- 相手に興味を持つ
- 質問をする事で、相手のフィールドに持って行く
- 対立、議論にしない
- コミュニケーションを目的としたコミュニケーションをする
といった感じ。
何故コミュニケーションという技能を習得するのか
コミュニケーションという技能は、交渉術なんかとは別物。
コミュニケーションは、それに参加した人全員が気持良くなる事を目的とした物。それが、良いコミュニケーションである。
これが本のタイトル「この人と話をすると楽になる」という事ですね。
そう思われる人が、コミュニケーションに長けた人って事になると思います。
そして、他の本に書いてあったのですが「気持良かった経験の積み重ねがブランド」ってのも、関係してくる事になります。
測量業ってブランディングがし難い職のひとつだと思っています。
仕事の早さや正確さといった技術については、機器やソフトウェアといったテクノロジーに依るところが多く、差は付け難いんです。
マネジメントやプランニングで差は出ますが、大きな差にはなりません。
まして、公共事業であれば競争入札なのでブランディングによって選ばれる理由には寄与しません。あんまり。
士業ですので、技術やマネジメント、プランニングの能力は資格によって最低限の保証がされます。
そこで、ブランディングにおいてコミュニケーションという技能が占める割合が大きくなると考えています。
「泰進測量に頼むと、いつも気持良く業務が出来る」と思ってもらう事は、選ばれる理由になります。多分。
どこに頼んでも同じ成果が得られるという事は必須条件です。準則にも「正確さの確保」と明記してありますし。
技術的な課題は必ず達成される事が最低条件なのです。
そして、コミュニケーションはブランディングだけではなく、自分にとって利益となる多くの事を得る機会を作るものでもあります。
自分で調べて学習するよりも、それに詳しい人や専門家に教えてもらう方が、ずっと正確に実りのある情報を得られます。
また、「ポジティブな記憶は定着しやすい」という性質もあるらしいので、「良いコミュニケーションで、自分にとって利のある情報を得る」事は、その情報をしっかり記憶し、後に活かす事のショートカットでもあります。
ってな感じが、自分が「コミュニケーション」について考えたりする動機。
飲み屋ベンチマーク
地元の焼き鳥屋によく行きます。
最初は、幼馴染数人が常連だって事で行ってみたら、他の常連の方々やマスターにも受け入れて頂き、無理のない程度のペースで行ってます。
常連さん方は、職業もみんなバラバラなので居る日や時間もバラバラ。
幼馴染は早い時は17時頃から居て、20時前には「彼女に怒られるから」と帰ってしまいます。
そんなお店で、「そんな深く親しいわけでもない、年上の方」と二人になったりする事がぼちぼちあります。
そんな時が、コミュニケーション能力のベンチマークになっていると思ってます。
世代も違えば、お互いのパーソナルも余り知らない、共通の趣味もない。
共通項と言えば、「住んでる地域が近い」「性別が男性」ぐらい。
私はテレビを持っていないので、テレビ番組の話でお茶を濁す事も出来ない。
まさにコミュニケーションという技能の使い所なわけです。
そこで、思い返してみると、本に書かれているような事って自然とある程度は実行しているんですね。
- 相手に興味を持つ
- 質問をする
- 最適であろうリアクションを取る
- 驚く
- 笑う
などなど。
お酒の場ですし、年下という事で多少甘く見て頂いているであろう自覚もありますが、行って嫌な顔はされていませんし、及第点は頂けているんじゃないでしょうか…考え出したら怖くなってきた。今度確認してみよ…。
また、仕事においても30台中盤という私の年齢ですら若手であろう業界ですし、別業種の方でも年上である事が多いので、ここで勉強させて頂いている事は活きると思います。多分。
まとめ
主にこの本で扱われているコミュニケーションとは、「情報の伝達を目的としたコミュニケーション」ではありません。
「情報の伝達を目的としたコミュニケーション」はコミュニケーションが苦手な人でも出来る事です。
これは、喋りたくなければメールで済ませる事も出来る時代ですし、そういった状況を作るテクニックはこの本で扱われている技能とは別物です。
この本で扱われているコミュニケーションは、ガールズトークのようなコミュニケーション。コミュニケーションを目的としたコミュニケーションです。
そして、そのコミュニケーションという技能が必須かどうか、私は必須だとは思っていません。
しかし、何事においてもこの技能を有する事は、物事を有利にします。
人が持つ印象って変化するもので、「怖い人かと思ってたけど、話してみたら凄くいい人だったね。」なんて良くある事ですし、そうなった方がむしろ良い印象として記憶に残り易いなんて事すらあると思います。
良い印象を持った人に対して危害を加えてやろうと発想する人はかなり少数派です。
それなら、わざわざ突っぱねる事ではなく、機会があれば習得するべき技能でしょう。
また、この本ではもっと多くのシチュエーションやテクニックが解説されていますので、コミュニケーションに対して消極的であるという方には凄くお勧めです。
結構、日和った感じになりました。
と、言うのも「対立、議論をしない」という本の趣旨は尊重しなくちゃだよなって思って。
変な所で好戦的になってしまう悪癖は損でしかないので、そこもまた実践です。
広義での「コミュニケーション」だと、正解のない事なのですが、それを向上させるテクニックというのは大変意義のある事で、それを意識する事は大切だと思います。
得意でない事に消極的になるのは誰しもある事ですが、重い腰を上げるきっかけは沢山転がっているので、タイミングが合えばなるべき拾っていくべきだよなぁ~です。最近の読書はその辺凄く意識してやってます。
「みんなやらなくちゃダメだよ!!」とは全く思っていませんが、自分はそれを推奨しています。
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